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はじめに
介護を社会で支える社会保障制度として開始された介護保険制度は3年が経過し、事業計画改定の時期を迎えました。佐賀市、多久市、佐賀郡、神埼郡及び小城郡の2市13町3村で構成する佐賀中部広域連合は、地域の資源の有効活用によって、介護保険事業の効率的な運営を目指して組織された公共団体であり、その第1期事業の運営は、住民の皆様のご理解、ご協力をはじめ、関係者のご努力によって、保険料の平準化などの地域間格差の解消や安定した財政運営など、広域化のメリットが発揮され、おおむね順調に推移しています。
一方では、これまでの事業運営によって明らかになった課題をはじめ、高齢化が進展する中での要介護認定者数の増加、個々人のニーズの多様化、本格的な高齢社会の到来に当たっての社会環境の変化など、今後の介護保険制度の運営に関しては新たな視点が求められています。
このようなことを踏まえながら第2期佐賀中部広域連合介護保険事業計画を策定し、「支え合う心」「助け合う心」をキーワードに、構成市町村がその垣根を越えて連携をさらに強化し、よりよい介護保険制度の運営と高齢者が安心して暮らせる地域づくりを推進していきます。
平成15年3月
佐賀中部広域連合長 木下 敏之
INDEX
―介護保険制度―
介護の不安を社会全体で支えあう制度です。
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■介護保険制度とは
☆「介護」は社会全体の問題
高齢化が進む日本では,21世紀半ばには3人に1人が65歳以上になるといわれています。また,社会の高齢化に伴って介護を必要とする人たちも年々増加しています。
これに伴い,介護を必要とする人の数は増加が見込まれ,同時に,介護期間の長期化や介護する家族の高齢化などの問題も深刻化し,多くの国民が老後に不安を抱いています。
介護保険制度は「介護」を個人の問題としてでなく,社会全体で解決する問題としてとらえる新しい社会保障制度です。
☆必要な人に必要なサービスを
これまでの高齢者介護は,福祉によるサービスと医療によるサービスがそれぞれ行われ,必ずしも公平で的確な介護サービスとはいえない面もありました。
介護保険制度では,保険・医療・福祉の知識を持つケアマネジャーにより,その人に合ったサービス計画を作成しますので,総合的な視点に立った適正なサービスを受けることが可能になりました。
☆40歳以上が加入する保険制度
介護保険には,介護を必要とする可能性が高くなる40歳以上の方が被保険者として加入します。
被保険者は,65歳以上の方(第1号被保険者)と40歳から64歳までの方(第2号被保険者)に区分され,それぞれが負担する保険料と公費で介護に必要な費用が賄われます。
利用者の立場に立って
介護保険事業計画を策定しています。
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■住民の声を取り入れた介護保険運営のために
第2期介護保険事業計画は,平成15年度から平成19年度までの介護保険事業の運営の柱となる事業計画です。佐賀中部広域連合では,事業計画の策定にあたり,住民の意見を反映させるために,保健・医療・福祉の専門家を委員としたほか,一般公募による第1号被保険者及び第2号被保険者の代表を委員とした「佐賀中部広域連合介護保険事業計画策定委員会」を設置しましました。
さらに,本広域連合では,高齢者要望等実態調査,市郡単位の説明会の開催,介護サービス利用者や介護者,ケアマネジャーなどから幅広い意見聴取を行い,利用者の立場に立った計画の策定を行っています。
佐賀中部広域連合は,利用者の立場に
たったサービス提供を目指します。
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佐賀中部広域連合では,介護保険を運営するにあたり,以下のような基本理念を掲げ,この理念に沿った施策の展開を積極的・計画的に推進していきます。
【個人の尊厳】
高齢者が介護を必要とする状態になっても、人としての尊厳を保って生活できることが大切です。要介護等の高齢者がそれぞれ、その人らしい生活を維持できることを重視します。
【在宅での自立支援】
要介護等の状態になっても、できる限り在宅において自分の力で生活できるようサポートするという観点から、在宅での自立の支援を重視します。
【サービスの自己選択】
利用者の心身の状況、その置かれている状況に応じて、利用者の選択に基づくサービスの提供を行います。
【利用者にとって適切なサービスの提供】
均衡のとれたサービスが提供できるように基盤整備を行い、利用者のニーズを反映した十分な質・量のサービスを確保して、利用者にとって適切なサービスの提供を行います。
【総合的かつ効率的なサービスの提供】
介護面のみをサポートするのではなく、生活支援の観点からの多様なサービスの組み合わせによって、生活が維持されるよう総合的かつ効率的なサービスを提供します。
【住み慣れた地域での安心した生活の営み】
本広域連合は佐賀市を中心とした生活圏域です。住み慣れた地域という心理的なメリットを生かし、高齢者が安心して自立した生活を営むことができるようにサービスの提供を行います。
【保健・医療・福祉が一体となったサービスの提供】
本広域連合の構成市町村は中部保健福祉圏に含まれ、また、医療圏域を一にしています。このような市町村の枠を超えた共通の社会基盤を活用して、保健と医療、さらには福祉が一体となったサービス提供を行います。
佐賀中部広域連合は,寝たきりを防ぎ,
健康でいきいきとした生活を支援します。
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佐賀中部広域連合は,基本理念を基にした施策展開のための具体的な6つの方向性を掲げています。これを基に,すべての人が寝たきりになることなく,健康でいきいきとした生活が送れるよう支援します。
増え続ける高齢者の介護は
社会全体で支え合うことが必要です。
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■高齢者人口,特に「後期高齢者」人口の増加が見込まれます
佐賀中部広域連合圏域内の総人口は緩やかな減少傾向を示し,65歳以上高齢者人口(第1号被保険者)は増加傾向を示すと見込まれ,これに伴って高齢化率も増加傾向を示すと見込まれます。
高齢者のうち,65歳以上75歳未満を「前期高齢者」,75歳以上を「後期高齢者」といいますが,特に,前期高齢者人口が減少すると見込まれることに対し,後期高齢者人口は増加すると見込まれています。

※平成7年及び平成12年の国勢調査の結果並びに平成13年10月の佐賀県推計人口をもとに,コーホート要因法により推計しています。

■要介護・要支援認定者数の増加が見込まれます
佐賀中部広域連合では,今後,要介護状態になる可能性の高い後期高齢者人口が増加すると見込まれており,これに伴って,要介護・要支援認定者数が増加すると見込まれています。

平成15年度から平成19年度までの
介護サービス量を見込みました。
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■居宅サービス
☆在宅での生活支援を図ります
居宅サービスについては、介護保険制度施行後の民間参入やNPO法人の設立なども進み、サービスの供給量は確保できています。利用者数、費用総額とも制度の浸透とともに全体的に増加傾向を示しており、中でも通所系サービスは利用実績・利用意向とも高くなっています。今後は、利用者のニーズを反映した十分な質・量のサービスを確保するとともに、利用者にとって適切で効果的なサービスの提供を行うための基盤を整備し、在宅での生活支援を図ることが重要です。
身体又は精神上の障害があって日常生活を営むのに支障がある高齢者を,訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問して日常生活のお世話をするサービスです。食事や排せつ,入浴の介護,身体の洗拭等をする「身体介護」と,調理,衣服の洗濯,住居の掃除等を行う「生活援助」があります。訪問介護の一人当たりの給付実績及び利用意向を考慮すると,今後もサービス量は微増していくと見込まれます。
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送迎用バス等によってデイサービスセンター等に通い,入浴や食事の提供,日常動作訓練,レクリエーション等が受けられます。通所介護については一人当たりの給付実績の伸びが大きく,本人及び介護者の今後の利用意向も高いことから,サービス量は今後も順調に伸びると見込まれます。
| 医療機関や介護老人保健施設等に通い,理学療法士や作業療法士等によるリハビリテーション等が受けられます。通所リハビリテーションについては今後の利用意向は高いものの,一人当たりの給付実績は微増傾向にあり,供給量不足も考えられないことから,今後のサービス量は微増していくと見込まれます。 |
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■短期入所生活介護・短期入所
療養介護(ショートステイ) |
| 介護者に代わって,寝たきり等の高齢者に対し一時的に施設で入浴や食事,排せつ,その他日常生活上等のお世話をするサービスです。日常生活の介護を受ける「生活介護」と,医療上のケアを含む介護を受ける「療養介護」があります。短期入所生活介護・短期入所療養介護については,特に高い介護度で給付実績が高く,今後の利用意向も本人・家族ともに高いことから今後もサービス量は順調に伸びると見込まれます。 |
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| 寝たきりの高齢者等の家庭を,入浴設備や簡易浴槽を装備した移動入浴車等で訪問し,入浴の介助をするサービスです。訪問入浴介護については給付実績は微増傾向であり,今後の利用意向は増加傾向にあることからサービス量は微増すると見込まれます。 |
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医師や歯科医師,薬剤師などが家庭を訪問して,医学的な管理や指導を行うサービスです。居宅療養管理指導については給付実績は増加傾向にあり,今後のサービスの利用意向もやや高いことから微増すると見込まれます。
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訪問看護ステーションなどの看護師等が家庭を訪問して,主治医と連絡を取りながら病状を観察したり床ずれの手当て等を行うサービスです。訪問看護については給付実績は横這いであり,今後の利用意向は微増傾向にあることから,サービス量は微増すると見込まれます。
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| 理学療法士や作業療法士等が家庭を訪問して,理学療法,作業療法,その他必要なリハビリテーションを行うサービスです。訪問リハビリテーションについては給付実績は増加傾向にあり,今後の利用意向も高いことからサービス量も増加傾向と見込まれます。 |
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| 車いすや特殊寝台,床ずれ防止用具,歩行器,移動用リフトなどの福祉用具の貸与や腰掛便座,入浴補助用具など貸与になじまない福祉用具の購入費の支給を行うサービスです。福祉用具の貸与については給付実績は増加傾向にあり,今後の利用意向も高いことから,サービス量も増加傾向と見込まれます。福祉用具購入について,給付実績は微増傾向にあり,今後の利用意向も高いことから,サービス量は微増傾向と見込まれます。 |
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| 手すりの取り付けや段差解消等の小規模な住宅改修を対象とした工事費用を支給するサービスです。住宅改修については,給付実績は平成14年5月から受領委任払いを始めたこともあって増加傾向にあり,今後の利用意向も高いことから,サービス量は増加すると見込まれます。 |
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| 痴呆の状態にある要介護者が小人数で共同生活を営む住居において,入浴や食事,排せつ等の介護や日常生活上のお世話,及び機能訓練等を行うサービスです。ただし,「要支援」では受けられません。痴呆対応型共同生活介護については,サービス供給基盤の充実とともに給付実績も増加しており,地域での生活,在宅生活支援のために,また,施設サービスの補完的役割を担うサービスとして,質・量ともに充実させることが必要であり,これには国の参酌標準を基本としながら整備することとしています。 |
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有料老人ホームや介護利用型軽費老人ホーム(ケアハウス)等に入所している要介護者について介護サービス計画に基づき,入浴,食事,排せつ等の介護やその他の日常生活上のお世話,機能訓練,療養上のお世話を行うサービスです。痴呆対応型共同生活介護と同様に,施設サービスの補完的役割を担うサービスとして,事業の参入を見込んだ整備目標としています。
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■施設サービス
☆広域的視野に立ち適切なサービス供給基盤の整備を図ります
施設サービスの基盤整備については、平成14年8月で本広域連合域内の施設整備率は3.9%であり、国の整備目標である3.2%を既に超えてはいますが、施設サービスに対する利用意向が高く恒常的に待機者が多い状況にあります。また、施設が単に施設サービスの供給だけではなく、多様な在宅サービスの提供基盤を担っていること、保険財政に大きく影響を与えることなどを踏まえ、今後も広域的視野に立ち適切な供給基盤の整備を図る必要があります。
| 65歳以上の高齢者で,身体上または精神上著しい障害があるため常時介護が必要で,自宅では介護が困難な人が利用する施設です。入浴や排せつ,食事等のお世話のほか,その他の日常生活のお世話や機能訓練及び療養上のお世話等が行われます。介護保険制度によって従来の特別養護老人ホームが移行したものです。介護老人福祉施設では,平成15年度に50床,平成16年度以降も必要最小限100床の整備を見込んでいます。 |
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| 疾病や負傷などによって,寝たきり又はそれに準ずる状態にある高齢者に,医学的管理下における介護や機能訓練又は必要な医療を行いながら,日常生活のお世話をする施設です。介護保険制度によって従来の老人保健施設が移行したものです。 |
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■介護療養型医療施設
(療養型病床群,
老人性痴呆疾患療養病棟) |
| 急性期の治療が終わり,長期の療養を必要とする高齢者のための医療機関の病床です。療養上の管理,看護,医学的管理下での介護,その他のお世話,機能訓練のほか,必要な医療が受けられます。介護療養型医療施設については第1期計画目標値を,実績を踏まえ計画最終年度に設定しています。 |
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■費用額は増加すると見込まれます
平成15年度から平成19年度における居宅・施設サービス等の費用については,これまでの介護給付の実績や,高齢者要望等実態調査の結果,サービス事業者の参入意向,施設の整備予定などを踏まえて見込んでいます。
居宅サービスの中では,特に通所介護及び短期入所生活介護・短期入所療養介護の利用が大きくなると見込んでいます。また,施設サービスについては,介護老人福祉施設などの入所申込者の状況を考慮して見込んでいます。
第1号被保険者の保険料 3,736円は
こうして決まりました
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介護保険料は,半分が公費,半分が40歳以上の方の保険料で賄われています。そのうち18パーセントを負担する65歳以上の第1号被保険者の保険料を算定すると,以下のようになります。また,40歳以上65歳未満の第2号被保険者の保険料は医療保険ごとに医療保険料として定められます。各医療保険で収納された保険料は,社会保険診療報酬支払基金に介護給付費納付金として納付され,そこから各介護保険者へ介護保険給付費の32パーセント分が交付されます。
第1号被保険者保険料の算定
段階別保険料
高齢者は,元気な人から要介護度の高い人まで,さまざまな状態にあります。よって,一人ひとりの高齢者がその人にあった,あるいは,その人が望む身体状況と生活状況の維持や向上を図りながら,その人の生活の質の向上を目指し,それを実現することが重要です。本広域連合では,この考え方をもとに,第1期事業計画の実績と課題を踏まえ,よりよい介護保険を運営していくために利用者の立場に立ったサービスの充実や,構成市町村が一体となった施策を展開し,元気な高齢者づくりを目指します。
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